夜一を見たらわかること
「えーなんで? そろそろ良くない?」
「うーん。 まだいいかな」
「そうなんだぁ」
不思議そうに海老フライをつまんで踊らす。
「キスするのって、なんなんだろう?」
「んっ?なにそれ」
「いや。付き合ってないのに、キス出来る男の子ってどういうつもりなのかってことだよ?」
「えっ? 章吾くん以外の誰かにキスされたってこと?」
「えっ? ち……ちっげーよ!」
「だよね? ありえないよね?」
「そりゃなぁ。普通だったらねーよな」
「でも。キスってさ。
たぶん好きじゃないと出来ないと思うけど」
「そ……そうなの?」
「だって、唇が触れ合うって結構デリケートだと思わない?」
「確かに……」
「何、その顔?うはっ」
あたしの顔を見ながら今度は祢音が、噴き出した。