夜一を見たらわかること
girl
章吾との帰り道、部活の話をしてくる。なんとなく上の空だった。
「待たせたからなんか奢る」
駅前でそう言われたけど、それも悪い気がして断った。ちょっと顔をしかめられた。
「じゃあさ、今週の日曜日、遊ぶか?」
同じバスを待ちながら章吾に誘われたけど、「用事がある」と言って断った。
日曜日、あたしは夜一の絵のモデルをすることになって、彼の家に行く約束をしてしまった。
なんでだろう。あたしから描いてほしいと言ってしまった。あの頃みたいな夜一に戻ってほしいのかもしれない。
それから章吾は自分から話を振ってこなくて、あたしの話に興味なさそうに同調してるように見えた。