夜一を見たらわかること
次の日曜日。夜一との待ち合わせ場所は、この前と一緒。
その日はとても晴れていて、気分がいい。
あたしの提案で夜一の家の近くにある運動公園に行くことになってた。
テニスコートから奥内プール、遊具までなんでもあるらしい。
外ならきっと変なことされないだろうし、昔の夜一はよく外で絵を描いてた。
あたしなら描いてもいいとか言っておきながらも、気分が変わって色んな物を描きたくなるかもしれないし。
だけど、落ち合った早々、夜一が困惑した声を出す。
「何、その大きい鞄?」
「えっ?」
手には大きなバック。中はフリスビーに、おもちゃの野球のバットとグローブ。バドミントンセット。片手にスケボー。
「だって、せっかく天気いいし。
遊びたいだろ?」
じーっと睨むように見つめる。
「遊びたいと思ったの。
あっ、大丈夫。
今日はね、ばっちりモデル気分だから」
なんて言葉を頭に浮かべながら話すあたし。気持ち悪いって自分でも思う。
「ランドセル背負うのも嫌いだったくせに」
「あっ。覚えてる?」
「荷物持つのが嫌だって、俺よく遣われてたから」
チクリと胸に刺さった。確かに、夜一にアサガオの植木鉢とか書道鞄を持たせたことがあった。
「遊んでていいよ」
「えっ?」
「適当に描いてる」
「女の子らしく遊べないけど」