夜一を見たらわかること
だって。
嫌われたくなかった。
むしろ、夜一に好きになってほしかった。
ふと、そんな言葉が浮かんだ。
なんかそれって。
あたしが夜一のこと、好きみたいじゃないか。
だけど。今も。
何もしたくない。
習字なんかしたくない。
授業だって詰まらない。
ううん。したいことがある。
夜一に会いたい。
そう思うのは、きっと、夜一のせい。
あたし、夜一が好きなんだって。
今度は半紙に透明の雫が落ちて滲むから。
そこで、やっと気が付いた。
慌てて窓の外を見た。