夜一を見たらわかること
「なんか分かんねーけど。
夜一のこと心配してた。
寂しそうだったから。
だから、あたし夜一にかまいたくなってたのかもな、あの頃」
フッと鼻で笑った気がした。
「あれだ。
好きだったんだよ、俺のこと」
「はっ?」
「今、好きってことはきっとそういうこと」
そればっかりは分からないけど。
ただ、今はこうしたい。
「夜一、顔が見たい」
「ダメ」
「手、どけて」
「ダメ」
「つうか。
あたし章吾とキスしてないけど」
「バス停でしてただろ?
見たよ」
「バス停?
してねーよ!
見間違いだって!」
「本気で言ってんの?」
「当たり前だろ!」