夕暮れにさよなら。


一人取り残された私は、もう見えなくなってしまった筈の先輩の背中を、瞳の奥で見ていた。


いつから先輩を好きになったのか解らない。少しでも、近付きたくて。けれど、彼女の声と似ている私と話すたび、先輩は彼女を思いだし、目の前にいる私なんて見えなくなってしまうんじゃないかと、悲しくて仕方なかった。


__ねぇ、先輩

嘘つきな後輩を許してください

先輩にはあんなこと言ったけど、私はそんなことできない。"好きな人が遠くに行ってしまうとしたら"私はきっと見ていることしかできない。


だって、先輩には笑っていて欲しいから


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