強引上司と過保護な社内恋愛!?
「俺も今日の泉は綺麗で一緒にいるとちょっと緊張した」

そして合間にあまーい言葉を囁く。

「嘘ばっか」

「本当だよ。ニコラス大使もご機嫌だったじゃん。コンビニでは小僧と楽しそうに話してたし」

「小僧って…」

私は苦笑いを浮かべる。

「あいつに泉はまだ早い」

桧山さんは私の腰を引き寄せると、深く口付ける。

今迄のじゃれ合うようなライトなキスとは大違い。

無遠慮に歯列を割って柔らかな舌を絡ませてくる。

わ…わくわく動物園に捕食された。

桧山さんの腰にギュッとしがみつき、食べられるような激しいキスに必死で応える。

この前も思ったけど、桧山さんとのキスはひどく気持ちがいい。

身体の芯が熱くなり、脳が蕩けて何も考えられなくなる。

「やばい…」

ボソっと呟くと桧山さんは私から身体を一気に引き離す。

「ん…」

急に気持ちのいいキスが中断されて私は熱の籠った溜息をつく。

焦点が定まらないまま桧山さんの顔をぼんやり眺める。

「なんだよ、その顔。全然嫌そうに見えない」

桧山さんは手の甲で私の頬をスルリと撫でた。

「ばか…」

悪態をついたつもりだが自分でもゾッとするほど声に甘さが滲む。
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