強引上司と過保護な社内恋愛!?
5. 獅子の子落とし
翌日―――
出社してホワイトボード を見ると、桧山さんは『出張 大阪』となっていたので少し…いや、もんの凄くホッとした。
今更どの面下げて会えばいいのか解らない。
「昨日はどうでした?桧山さんと」
隣に座る加奈ちゃんが、ジャラジャラした飾りの着いた書きにくそうなペンを口元に当てて尋ねる。
「はい?」
私の動揺を見透かしたような問いに思わず聞き返す。声も裏返ってしまった。
「接待、上手くいきました?」
ああ…そっちね。
「多分…私はよくわからなかったけど」
「ま、桧山さんは帰国子女だからコミュニケーションについては問題ないっすもんね」
「やっぱりそうなんだ」
あの流暢な英会話も納得だ。
あれ?と加奈ちゃんは小首を傾げた。
「泉さん知らなかったんですか?」
私はコクコクと首を縦に振る。
「桧山さんのお父様、がいこーかんだったから小さい頃は海外を転々としてたみたいですよ」
がいこーかん、って外交官の事?
「その事言うとすっごく嫌がるから、あんまり本人には言わない方がいいですけど」
加奈ちゃんは声を落す。
「ああ見えて結構お育ちがいいのね」
日頃はガサツだけど、接待中の穏やかな物腰や食事の美しい所作を見た後だと妙に納得だ。
「そうだ!泉さん、今晩お暇ですか?」
加奈ちゃんは可愛らしく小首を傾げて尋ねた。
出社してホワイトボード を見ると、桧山さんは『出張 大阪』となっていたので少し…いや、もんの凄くホッとした。
今更どの面下げて会えばいいのか解らない。
「昨日はどうでした?桧山さんと」
隣に座る加奈ちゃんが、ジャラジャラした飾りの着いた書きにくそうなペンを口元に当てて尋ねる。
「はい?」
私の動揺を見透かしたような問いに思わず聞き返す。声も裏返ってしまった。
「接待、上手くいきました?」
ああ…そっちね。
「多分…私はよくわからなかったけど」
「ま、桧山さんは帰国子女だからコミュニケーションについては問題ないっすもんね」
「やっぱりそうなんだ」
あの流暢な英会話も納得だ。
あれ?と加奈ちゃんは小首を傾げた。
「泉さん知らなかったんですか?」
私はコクコクと首を縦に振る。
「桧山さんのお父様、がいこーかんだったから小さい頃は海外を転々としてたみたいですよ」
がいこーかん、って外交官の事?
「その事言うとすっごく嫌がるから、あんまり本人には言わない方がいいですけど」
加奈ちゃんは声を落す。
「ああ見えて結構お育ちがいいのね」
日頃はガサツだけど、接待中の穏やかな物腰や食事の美しい所作を見た後だと妙に納得だ。
「そうだ!泉さん、今晩お暇ですか?」
加奈ちゃんは可愛らしく小首を傾げて尋ねた。