強引上司と過保護な社内恋愛!?
「わー面倒臭っ…」

加奈ちゃんは渋い表情でサラダにグサッとフォークを突き立てた。

本日は加奈ちゃんよりお誘いを受け、会社近くの和風ダイニングバーで美樹さんと三人で女子会を開催している。

昼間トイレであった惨事を二人に早速報告した。

「営業企画部の石川さんでしょ?ずっと前から桧山くん狙いだもんねえ」

美樹さんは芋焼酎のロックをチビっと口に含む。結構イケる口らしい。

「私は人の迷惑にならないよう目立たないようひっそりと仕事してきたのに、何で他人からあんな悪意を向けられるか理解不能っす」

私は中ジョッキのビールを飲んでブハーとデッカいため息を吐く。

「桧山くんは営業推進グループの王子だから、同じ班で一緒に仕事してる泉ちゃんが羨ましいんだよ」

「だったら一緒に仕事してみやがれって感じっす」

恋心なんてマッハで吹き飛ぶだろうから。

私は遠い目で呟く。

「仕方ないよ。仕事が出来て、容姿端麗、そしてお育ちもいいっていう三拍子が揃っちゃってるからねー」

美樹さんはお通しのお造りをつまみながら言う。

「だけど人格的に問題アリでしょう。社内外に手ぇ出しまくってるっつーのもどうかと思いますけど」

加奈ちゃんは鼻の頭に皺を寄せた。
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