強引上司と過保護な社内恋愛!?
「大丈夫ですよ。俺、泉さんみたいなメンドクサソウな女性苦手ですから」

佑樹君は二コリと微笑む。

なんか笑顔はすごく可愛いんだけど、すごく失礼なことを言われた気がする。

だけど酔っ払いの私はそんなことどうでもよくって、一々気に留めることはしない。

「佑樹君くん、上がりなら一緒にかえろー。ファミマで肉まん奢ってあげるー」

一緒に帰れることが嬉しくて私はニコニコ笑う。

「俺、ピザまんがいいなぁ」

私達のやりとりを見て坂田は呆れたように溜息をついた。


「さむいねー」

私と佑樹君は肉まんとピザまんを齧りながら夜道を並んで歩く。

今日は散々な一日だったけど、こんな可愛い男の子に送ってもらえたことが唯一の救いだ。

佑樹君はリュックを背負い、私のバックを肩から掛けながら、片手でしっかり身体を支えてくれる。

細いと思ってたけど、やっぱり男の子。

力は強いようだ。

そういえば桧山さんの手もおっきかったっけ。

繋いだ時も私の手をすっぽり包んでしまうくらい。

堅い手の感触を思い出すと、また泣けて来たので涙を押し込めるように肉まんに被りついた。

「じゃ、今日はありがとう。迷惑かけてごめんね」

マンションの前までたどり着くと私は佑樹君の腕からするりと逃げるように身体を離す。

ここでべったりしたら佑樹君に怖がられてしまう。
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