強引上司と過保護な社内恋愛!?
「でも、ちょっと嬉しかったぞ?小心者の泉がおっかないうちの父親に言い返してくれて」

桧山さんは丸い目でジッと私を見つめる。

可愛かったので寝ぐせのついた頭をよしよし、と撫でてやった。

「愛を感じた」

「勝手にそんなもん感じないでください」

桧山さんが嬉しそうに言うもんだから顔がカアっと熱くなる。

私はバツが悪くなり視線を逸らす。

「泉…」

桧山さんは私の手をキュっと握り、ゆっくり顔を近づけてくる。

「ちょっと」

私は手で桧山さんの唇を覆った。

「風邪が感染るような事はしないでください」

キスを拒まれて桧山さんは不満気だ。

「ちょっと位なら大丈夫だろ」

「駄目です。桧山さんは直ぐ調子に乗るから絶対ちょっとじゃなくなるじゃないですか」

そうなったら私も拒みきれない。

だって、桧山さんとのキスは凄く気持ちがいいから。

わかったよ、と渋々承諾すると、ごろりと私の膝に寝転がる。

「あと少しだけこうしてて」

答える代わりに髪を撫でると、桧山さんは気持ち良さそうに目を瞑る。
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