強引上司と過保護な社内恋愛!?
「泉、起きたんだ」

Tシャツ姿の桧山さんは呑気に声を掛けてくる。

「あれ?あれ?」

私は前と後ろ交互に振り返る。

「肇(はじめ)?なんでここにいるんだ?」

桧山さんはタオルを頭に引っ掛けたまま、怪訝な表情で私の背後に視線を向ける。

「久しぶりだな。暁」

眼鏡の桧山さんは無表情のまま言う。

前門の桧山、後門の桧山。

加奈ちゃんがいたら発狂しそうなシュチュエーション。

まさか…この人って…

「て…天才ブタ?」

ブタ呼ばわりされて、桧山さんのそっくさんは怪訝な表情を浮かべた。
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