強引上司と過保護な社内恋愛!?
「加奈ちゃんと美樹さんは楽しくて親切だし」

定例になりつつある女子会は、いつも盛り上がって飲みすぎてしまうくらい。

「おじさま達は最初のうちは怖いと思ってたけど、面白いし」

セクハラまがいの発言は多々あるものの、何処か憎めない。

それに仕事をストイックに取り組む姿勢は尊敬すらしてる。

「変な上司にはいつも振り回されてばかりだけど、最近それも悪くないかなと思っています」

桧山さんと目が合い、強張った目元を綻ばせた。

「俺もおんなじ」

桧山さんは私の手を取ってギュッと握る。

「営業本部の人達は好きだ」

そのまま手を引いて私を隣に座らせる。

「泉が営業本部に来てからはもっと好きになった」

何それ…このシュチュエーションでそんな紛らわしい事言われたらまた誤解しちゃうじゃない。

私が桧山さんにとって特別な存在なのかもって。

桧山さんは手の甲でするりと頬を撫でる。

私を見つめる瞳が真摯なのでいつもみたいに「セクハラです」なんて言ってかわせない。

そのままちっちゃな顔がゆっくりと近づいて来たので、私は目をそっと瞑った。
< 224 / 360 >

この作品をシェア

pagetop