強引上司と過保護な社内恋愛!?
ふんわりと柔らかな感触が唇に触れる。

ああ…やっぱり佑樹くんとは全然違う。

ドキドキしてゾクゾクして身体に電流が走るようなこの感じ。

触れるだけのキスをして桧山さんは名残惜しそうにゆっくり唇を離す。

「今日は、お許しが出たってこと?」

「熱が下がったようなので軽いヤツなら」

「それで泉は満足出来るの?」

桧山さんは、唇の端を上げてニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。

「ち、調子乗らないでく…」

最後まで言い終わらないうちに再び唇が塞がれた。

ああ…これは完全に風邪が感染るパターンだ。

だけど、待ちわびていたこの感触に私が抗う事なんて出来ない。

シャンプーの香りと、蕩けるような甘いキスに脳がクラクラしてくる。

するりと首の後ろに手を回し、いつもより少し熱い桧山さんの身体にギュッとしがみつく。

ここ最近、素っ気なくされていたせいか、愛おしさもひとしおだ。

「今日の泉は従順だな」

キスの合間に桧山さんが囁く。

気づけば私はソファーの上に押し倒され、上から桧山さんが覆いかぶさっている。
< 225 / 360 >

この作品をシェア

pagetop