強引上司と過保護な社内恋愛!?
「着任早々暴君に無茶ぶりされて！飲まないとやってらんないわよ！」

私はギュッと眉根を寄せてグラスに残ったシャンパンを一気に飲み干す。

「祐樹くん、おかわり…」

空いたグラスを傾けると祐樹君は美しい所作でフルートグラスにシャンパンを注ぐ。

ちょっぴり増量して。

「でも、俺としては感謝。だって暴君が仕事を無茶ぶりしてくれたから泉さんは今日店に来てくれたんでしょ？」

口角を上げて二コリと可愛らしい笑みを浮かべる。

「ひどい…私が苦しんでるのに…」

なぁんて口では言いつつも耳触りのよい祐樹君の営業トークにちょっとだけいい気分になる。

頑張った自分にちょっとしたご褒美をもらった気分。

「これからどんどん暴君には無茶ぶりされちゃればいいのに」

小悪魔のような祐樹君の台詞に私はハッと目を見張る。

「そしたら私倒れちゃう」

「そしたら俺が看病します。つきっきりで」

「勘弁してよ…」

渋い顔をする私を見て祐樹くんはクスクス笑う。

私たちのやりとりを見て坂田は呆れ顔だ。

頭の片隅でベッドに伏せる私の側で献身的に看病する祐樹君の姿を思い浮かべてみる。

それも悪くないかなぁ…なんて思ってしまう私がいる。
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