強引上司と過保護な社内恋愛!?
もしかして…みんな気付いてたのかな…。

私はキョロキョロと周囲を見渡す。

「いつもみたいに優しくしてね、いずみ」

桧山さんが私の名を呼びへラリと笑うと、グレムリン達はギャピギャピはしゃぎ出す。

もう引くに引けない。

「インドネシアに行っても頑張ってくださぁい!気合だぁ!桧山!」

手を振り上げ、そのちっちゃな顔を思いっきり張り倒した。

そのまま桧山さんはゴロンと畳の上に横たわる。

会場から歓声が上がり異様な熱気に包まれた。

「すっげー気合入ったわぁ…」

桧山さんは左頬を両手で押さえながら嬉しそうにニヤニヤ笑っている。

やっぱり変態なんだなぁと思った。

人を殴ったのなんて産まれて初めてだ。

手が痛くてジンジンする。

だけどなんだか凄くスッキリした。
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