強引上司と過保護な社内恋愛!?
メールをチェックした後に、日本の美嶋本社へ電話を掛ける。

相手は後輩の女子社員柳井真奈だ。

『なんすか？桧山さん』

柳井は低血圧なのか、すこぶる機嫌が悪そうだ。

「おい柳井、昨日はなんでメールを送って来なかったんだよ」

柳井は受話器の向こうで暫し押し黙る。

『あの…桧山さん、私すっげー忙しいんですど』

そして生意気にも口答えしてきた。

「忙しいのは自分だけだと思うな？俺だって超多忙だ。それでもお前からのメールを心待ちにしてたんだぞ？そんな一途な気持ちを無下にするとは冷たい女だな、お前は」

受話器から大きなため息が聞こえてくる。

『昨日は泉と一緒にランチしてないんですよ』

「どういう事だ？！」

『泉はお休みだったので』

「風邪でもひいたのか？！」

真っ赤な顔で苦しそうに息を吐きながら、あの汚い部屋で床に伏せる泉を想像したらいてもたってもいられなくなる。

「違います。泉は男に会いに行くとかでバケーションを取ってます」

バケーション？ふざけた事を。

まさかの柳井の解答に俺は目眩がした。

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