強引上司と過保護な社内恋愛!?
窓からたっぷりと差し込む陽射しに照らされて目が覚める。

見慣れない高い天井に広々とした部屋。

そこはいつもの散らかった自宅マンションではなかった。

ああ…そうか。

バリに来ているんだっけ。

そして昨晩は…

隣を見るとそこにいるハズの愛しい人の姿が見当たらなかった。

私は慌てて上半身を起こす。

服を着るのも面倒だったので白いシーツを身体に巻き付けて桧山さんを探す。

しかし、バスルームにもトイレにもいない。

裸足のまま中庭に出て辺りを見渡すが、やはり何処にもいない。

まさか…逃げた?!

私の脳裏に不吉な考えが過る。

自由人の桧山さん。

昨日は再会ムードで盛り上がっちゃったけど、一晩たって冷静になったら、バリ島まで会いに来る超本気モードの私に腰が引けて姿を眩ませたとか。

落ち着かずに部屋の中を右往左往していると、ガラリとガラス戸が開いて、ひょっこり桧山さんが姿を現した。

ハーフパンツにTシャツという軽装だ。
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