強引上司と過保護な社内恋愛!?
「ど…何処に行ってたんですか!桧山さん!」

私は必死になって桧山さんの腰にかじりつく。

「ごめんごめん、早めに目が覚めたから用を足しに行ってた」

大きな手で私の頭をグリグリ撫でる。

私はキリっとした表情で顔を上げた。

「桧山さん!私のステディになってもらえませんか!」

「また唐突だな」

桧山さんはキョトンとした様子で首を傾げる。

「言ったじゃないですか!いつでもウェルカムだって」

「確かに言ったのは言ったけど…」

桧山さんは暫し黙り込む。

…嫌な沈黙だ。

お断りされたらどうしよう。

そして突然ゴソゴソとポケットの中を探り始めた。

まさか手切れ金を渡されたらどうしよう。

ここまで来るとネガティブな展開しか思いつかない。

これあげる、とライト言って、桧山さんが小さな白い箱を私に差し出す。

反射的に受け取ってしまった。

「開けてみて、泉」

言われるがまま箱の蓋を開ける。

次の瞬間、想定外の展開に私は目を真ん丸に見開きビシりと固まった。
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