強引上司と過保護な社内恋愛!?
「彼が…彼が…浮気してたんです!」

そう言って、会社の後輩加奈ちゃんはウワーン!と鳴き出しテーブルに突っ伏した。

加奈ちゃんの話しを聞くところによると、実家に用事があって数日間帰っていたが、予定よりも早く彼と暮らすマンションに戻ったところ、浮気相手とバッティングしてしまったらしい。

「あのオモチっぽい人だよね?」

加奈ちゃんはベソをかきながら顔を上げるとコックリ頷いた。

ええ…意外。

あんな人でも浮気なんて出来るんだ。

しかもこんな可愛い彼女がいるのに。

「やっぱりダメですね。イケメンは。次回は桧山さんみたいな一般ウケする程度の人にします」

…何だろう。このモヤっと感。

だけど、これ以上刺激を与えてはいけないので、聞き流しておく。

「ケンカして出て来ちゃったんだ」

「ケンカ…っていうのかなあ」

加奈ちゃんの瞳にどす黒い影が差す。

「何か彼の中では寧ろ浮気相手が本命になりつつあったみたいで」

俗にいう心変わりってやつか。
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