強引上司と過保護な社内恋愛!?
向かいの加奈ちゃんをチラ見する。

フレンチトーストをご機嫌で食べるその姿は小動物のようで可愛いらしい。

だめ…私には出来ない。カワイイ加奈ちゃんを追い出すなんて…!

思いあぐねいていると、玄関のチャイムが鳴った。

「私出ますねー」

加奈ちゃんは席を立ってパタパタ小走りで玄関へと向かう。

でも…ここはあっくんの物件でもあるから勝手に居候を置くわけにはいかない。

今晩電話をして次の家が決まるまで、加奈ちゃんも居候していいか聞いてみよう。

私は独り結論づけると、コーヒーを一口飲む。

「泉さん!!」

突然大声で呼ばれたもんだからコーヒーを吹き出しそうになった。

「ひ‥桧山さんが!桧山さんが帰ってきました!」

加奈ちゃんは目をまん丸く見開いている。

ああ…遅かったか。刺客にバレた。

私は小さく舌打ちした。
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