強引上司と過保護な社内恋愛!?
「それでは、誓いのキスを」

神父さんに促され、暁さんはベールをそっとあげる。

私は背伸びをして、ブーケを持つ反対側の手を暁さんの首に回すと、自らそのふっくらとした唇にキスをする。

「覚悟してください」

「…まいった」

暁さんはニヤッと唇の端をあげて笑いながら降参の言葉を口にする。

それからどちらともなく再び唇を重ねた。

会場から拍手と歓声が上がる。


きっとこれはゴールじゃない。

スタートだ。

彼に振り回されるであろう日々の…。

しかし、神から与えられしこの受難を受け入れよう。

私の辞書に「失敗」という文字はない。


抜けるように晴れ渡った空の下

愛する人達が見守る中、私たちは手を取り合い、その一歩を踏み出した。







END
< 342 / 360 >

この作品をシェア

pagetop