強引上司と過保護な社内恋愛!?
初恋の先生とはレッスンの度に何度か逢瀬を重ねたものの、父親の転勤でドイツへ行く事が決まりアッサリと終焉を迎えた。


そして、ドイツで知り合った女の子とインターナショナルな恋を育む事となる。

イルマという赤毛の可愛い女の子だった。

しかし、父親は転勤族のため交際開始から半年ほどで日本へ帰る事となった。

「そんな訳でさよならだ」

彼女の家で情事を済ませた後に別れを告げる。

「嫌よ!別れるくらいならハジメを殺して私も死ぬわ!」

半狂乱になった彼女はテーブルの中からジャックナイフを取り出した。

何でこんなもん持ってんだ…

顔面から血の気が引いていく。

彼女がナイフを振りかざした瞬間、俺は上半身裸のままTシャツを掴み慌てて部屋から飛び出した。

「待ちなさい!ハジメ!」

待てと言われて待つ馬鹿はいない。

そういえば彼女はロミオとジュリエットの悲恋にえらく陶酔していた事を、必死に逃げまどいながらふと思い出す。


―――セブティーンの春だった。
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