強引上司と過保護な社内恋愛!?
何だか無償に佑樹くんの可愛い笑顔が見たくなった。

そろそろサカバルに顔出そうかな。

なぁんて考えながらハーブティーを嗜んでいると、入り口に人影がさす。

「あーいたいた」

今一番会いたくない男がひょっこり顔を出した。

何でこいつが…。

鼻の頭に思いっきり皺を寄せ、反射的に身構える。

「また怖い顔しちゃって」

桧山さんはニヤニヤしながら近づいて来た。

「誰のせいだと思ってんですか?!」

私はキッと睨みつける。

「これつけたの、桧山さんですよね?!」

私は首の後ろんとこにあるキスマークを指して食ってかかる。

「あ、バレた?」桧山さんは悪びれなくテヘっと笑う。

「こ、こここ…」頭に血が上って咄嗟に言葉が出ない。

「ニワトリ?」桧山さんは不思議そうに小首を傾げる。

「このせいで!私がどんな思いしたと思ってんのよ!」

私は怒りで顔を真っ赤にし、スーツの上着を掴んで詰め寄る。

「こんなんあるって知らなかったから、うっかり髪の毛を上げて活き活き仕事しちゃったじゃない!部内の人達に『飲み会の後、男に会いに行くなんて意外とお盛んだな、田母神さんは』なんて思われたに違いない!絶対そうに違いない!」
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