強引上司と過保護な社内恋愛!?

「今回大使館を立て替えてオフィスと賃貸レジデンスの複合ビルを建設する計画があるらしい」

桧山さんの話によると、一般的に大使館は都心の一等地に多く、建物の規模に対して敷地にゆとりが多いらしい。

老朽化した大使館の建て替えに際し、敷地の一部を民間事業者に売却して建て替え費用をねん出するオランダ大使館のようなケースが最近増えているそうだ。

「近々受注のコンペがあるから、その前にある程度お近づきになっておくって訳だ」

うちで受注出来れば…結構な規模の開発になりそうだ。

「そんな情報…どこで掴んできたんですか？」

「ゼネコン営業マンは情報が命ですから」

桧山さんはバチリとウィンクする。

そんな重要な席に英語が少しばかり話せるってだけの私が言って良いものなのか。

あの…でも…、と口籠ると「田母神、これは仕事だから」

桧山さんはニッコリ笑顔で頑として聞き入れないオーラ全開だ。