100%ジュース
「おはよう」僕も同じく、笑顔で返した。
「行こっ」
僕等は満員電車に揺られた。去年と同じ景色、同じ駅。寂れた改札を抜けて、僕等は河原へ向かう人波に潜り込んだ。真冬が、そっと僕の手を握ってきた。僕は強く握り返した。はぐれないように。

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