哀し
体育祭

「体育祭の行進とかダンスとかこんなに練習時間必要かな?」
「確かに。暑いよ。」

運動場に整列して私とカナは文句をたれる。
体育祭一か月前から団の行進やらダンスやら放課後残っては繰り返される練習。
正直疲れる。

「そこまで頑張らなくても適当でいいっつーの。」

思わず小さく本音が漏れる。

「ふーん。そんなに不満?」
「え?」

聞きなれない低めの声がそれに返答した。

「あ。団長。」

目が合うと団長はニコッと笑って前を向いて

「一年希望者いないみたいだからこの子に決定な。」

大きく指示をだす。
そして私の方をもう一度向いて笑顔で
「この練習の後に残ってな。」
そういって走ってた。


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