哀し
「顔にはすぐ出るのに行動がそれにはんしてんだよな。」
解けた手が再び重なる
「彼女…いるくせに。」
「俺は今マナとこうしたい。」
先輩の熱が私に伝わる
心臓が今までにないくらいドキドキしてる
「なにその余裕のない顔。」
先輩が私の顔を見て笑う
「慣れてないもんで!」
少しの嫌味を込めて先輩を睨む。
「意外。」
「なにそれ…」
私の顔を見て笑う先輩
いつものヘラヘラした笑いじゃなくて
あの子に向けるような笑い
「私は先輩みたいに遊んでないからね!」
「見ればわかる~」
「なんかバカにされてるみたいでムカつく。」
「そう?」
先輩は意地悪だ。
私の反応を見て面白がってる
「俺は好きだけどな。素直じゃないマナも。」
「そういうことサラッというところがまた遊び人っぽい。」
「マナだけなんだけどな~」
「嘘つき。」
「ばれた?」
くだらない会話をして打ち上げをする予定の店に向かう
打ち上げ場所について手が離れる
ああ…離れちゃった。
「このままいかないで俺んち行く?」
意地悪く笑う先輩
きっと私の気持ちなんて分かってて言ってるんだ
うなずくかうなずかないか迷ってた
「冗談だよ。」
ふっと笑って先輩は店の中に入ってく
店の前に立っとくのもなんだから私もそれに続く
もう打ち上げは始まっていてみんな盛り上がっていた