哀し

「カナおはよ。」
「あっ愛美おはよ。」
「今日バンド練習しようよ。」
「集まりは大丈夫なの?」
「まあ大丈夫でしょ。」
「そっか。じゃあみんなに連絡しとく。」
「お願いね!」

カナと私は同じバンドのメンバーで体育祭の後夜祭に出るために練習してる。









授業の終わりを告げる鐘が鳴り、適当にダンスの練習を済ませて

「カナ、スタジオいこ!」
「おっけい。でも少し絢斗が遅くなるみたいだから待って」
「え~、どうせまた女でしょ?」
「だろうねえ。」


私たちのバンドは五人で構成されている。
私がギターボーカルで
カナがキーボード
そして女癖の悪いドラムの絢斗

「女じゃねーよ。先生の呼び出しだ」
「ケンちゃん宿題ちゃんとやんなきゃ」

お怒りの絢斗の横から出てきたのがベースの愁。
目がぱっちりでかわいい私の幼馴染。

「みんな集まったし行くか。」

カナの合図でスタジオに向かう。
後夜祭のオーディションは今週末。
一年は受からないけど、一応受けてみようってことでだめもと。
だからこれが今回の最初で最後のスタジオだったりする。

靴をとって正門に向かう。

「愛美~練習した?」
「一応ね、一応。」

ワイワイ話しながら正門を抜けようとした。


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