哀し

「俺カバンとってくるわ。待ってろ。」
「えっ。あ。うん。」

そういって走っていた先輩。
やばいやばい。怖いわ。
顔が笑ってなかった。
うわああどうしよう。

「行くぞ。」

帰ってきた団長はさっさと歩いて行ってしまう。
その後ろをトボトボついてく。

「ほい、これ持て。」
「あ、うん。」

次々と衣装やら飲み物やら買ってく団長。

「よし。終わり。」
「ねえ、」
「ん?どうした?」

何事もないように聞き返してくる。

「なんで私が全部荷物持ってるのよ!」
「サボった罰?」

笑いながら答える団長。

「てか、お前すごいな。いつ重いって弱音吐くかと思ったらなんだかんだ言って軽々だもんな。」

笑いながら
こういう時は重くなくても重いとか言ってる方が持てるぞ。
とか言ってくる。

「終わったなら帰っていいですか?」
「ちょっと待てよ。そこ座ってて。」
「えー、私帰りたいん…」

帰りたいんだけど…。
言い終わる前にどこかに向かって歩いてく団長。
ったく、スタジオいけなっ方じゃん。
本格的にやばいかも。


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