ここから

龍夜「おい。立てるか?」


手を伸ばそうとしたが、途中で気付き手を引っ込めた。


幼なじみでも、決して触れたりすることはできなかった。


私「大丈夫。」


私は、手足に力をいれ立ち上がろうとしたが、腰がぬけて立ち上がれなかった。


翔「ちょっと空でも眺めようか」


龍夜「そうだな」


翔と龍夜と悠は、座り込んでしまった私のまわりに座った。



悠「雲ひとつないね」



今日は晴天だった。



翔「そうだね。でも、4時くらいから雨予報だよね。」



しんあ「えっ!?傘忘れた。」


龍夜「俺も」


悠「僕もー」

それを見越したように



翔「俺は持ってきてるよ。」


龍夜「さすが!」


翔「しんあ以外入れないけどね」


微妙に性格が悪いのが翔だ。


悠「僕もー?」


翔「もちろん。」


私「クスッ。入れてあげなよ。可愛そうだよ。」


私に戻ってしまっていたのに対して龍夜が


龍夜「しんあ。戻ってる。」


しんあ「…悪い」
幼なじみの前だとどうしても戻ってしまう事がある

龍夜「家の中ではいいけど、学校では気をつけろよな。誰が聞いてるか分からねぇから」


しんあ「おう。じゃあ。あらためて…。

入れてやれよ。」



これならと思い、龍夜を見ると親指を立てていた。


翔「しんあがそういうなら、入れてあげる。」


悠「翔ちゃん!大好きー。」

翔は、抱きついた悠の頭をそっとなでた。


それを見て、龍夜はしんあに

小さな声で

龍夜「俺さ、悠と翔は出来てんじゃねぇかと思うんだよね。しんあは、どう思う?」


しんあ「できてるって何が?」



龍夜「そりゃもちろんカップ…」

鬼のような形相の翔が龍夜の胸ぐらをつかみ


翔「お前は、何を言おうとしてるのかな?」


龍夜「何って、お前と悠がカップルじゃないかなってしんやに言おうとしただけで…」


翔「次、言おうとしたら殺す」
人1人殺しそうな目で言い放った。


悠「しんちゃん。僕らできてないからね?」


しんあ「うっうん」

話についていけないけど…


しんあ「あっでも、俺、今日バイトだ。」

しんあは、貧乏だ。
そのため、バイトをせざるを得なかったが、男性とはあまり接触したくない。
なので

悠「男装執事喫茶?」

男装執事喫茶で働いている。


しんあ「そう。」


龍夜「えっ!?まじかよ!」
一緒にかえれないじゃんと呟いた。
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