ねぇ、松風くん。
あれから屋上に来た私は、さっきの自販機前での出来事をポツリポツリと話した。
「…で、振られたと。」
菜穂の言葉にコクンと頷けば
「んー。勢いに任せて告白しちゃうなんて、優にしては大胆なことしたね。」
フェンスにもたれた菜穂が、風で乱れた髪を手ぐしで直しながら呟く。
「おっしゃるとおりでございます。」
「挙句、振られたなんて顔合わせづらいし散々だね。」
「…もう、返す言葉もございません…」
菜穂の言葉はいつも的を得ていて、トンチンカンな私を褒めたり、叱ったりしてくれる。