ねぇ、松風くん。
*もうすぐ文化祭
***
季節は移り変わり、気付けばもう文化祭シーズンがやって来た。
スポーツ大会から早2週間が経つというのに、私と松風くんのぎこちない関係は相変わらず。
…と、言うよりも私が一方的に避けてるだけなんだけれど。
「優〜!ちょっとこっち手伝って〜!」
みんながそれぞれの役割を果たそうと一生懸命 文化祭準備に勤しむ中、私はまたしてもボーッとしていたらしい。
「あーい。」
菜穂の声に我に返った私は空返事をして、再びボーッと窓の外に視線を向けた。
……あ、松風くん。
と、1年生らしき女の子。
ま〜た告白か。
あのスポーツ大会の後、松風くんの人気が急上昇したのは言うまでもない。先輩後輩問わず大人気。
もう、私の恋は終わったも同然だ。
…あ、振られた時点で終わってた。