ねぇ、松風くん。
「優ってば!いい加減にしなさいよ!」
…やばい。
菜穂がお怒りだ。
「ごめん!今行きま〜す!」
窓の外の松風くんに背を向けて、もういっそのこと誰かと付き合ってくれればいいのに!と思う。
と、同時にそんな日が来たら私の悲しみゲージはMAXになって、きっとしばらく泣いて暮らすだろう…とも思う。
こんな矛盾した気持ちを永遠ダラダラ引きずっては、たまに見かける松風くんを目で追ってしまう自分に
そろそろいい加減 嫌気が差してきた。
菜穂の元へ辿り着いた私は”ほれ、これでも塗って”とペンキを渡され、クラスの出し物のカンバンに色塗りを始めた。
私たちのクラスはcaféをやるらしい。