ねぇ、松風くん。


てっきり追加注文でもあるのかと、立ち止まって再度 伝票を広げた俺。


「…他にも何かご注文ですか?」


そんな俺に、どこか気まづそうな顔をする男たち。


何だ、追加注文じゃないのか。

「…追加がないようでしたら、これで。」

「あ、あの!」


今度こそ歩き出そうとした時、3人のうちの1人が声をあげた。

「…はい?」

「あの…いつもいる子、今日は休みですか?」

「…え?」


予想もしなかった質問に、まず誰のことかと考える。

しかし、考える必要もなかった。相手は男子高校生。ホモでもない限り、野郎に興味はないだろう。


「佐々木は…本日はお休みを頂戴しております。」


つまり、佐々木さんって訳だ。

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