ねぇ、松風くん。
それから、一通り文化祭を満喫した俺たちが最後にたどりついたのは縁日の教室。
金魚すくいやら、ヨーヨー釣りやらとみんなワイワイ盛り上がっている中
「あー!射的!」
楽しそうにはしゃぐ佐々木さんは、射的に走って行ってしまった。
”うっわ、可愛い”
”縁日にメイドさんって新鮮”
”連絡先聞こうかな〜”
そんな言葉たちと共にさっきから佐々木さんに向けられる他校生の視線。
「……気づけよ。」
何も知らずにはしゃぐ佐々木さんには、俺の声も聞こえていない。
「松風くん!対決しよう!」
「あー…うん。」
浮かない返事の俺に”どうかした?”と心配そうな顔をして、駆け寄ってくる。