ねぇ、松風くん。
「…いや。着替え…させてから回ればよかったなって…。」
「……えっ。」
俺の言葉に、フリーズした佐々木さんは次の瞬間には悲しそうな顔をしていて
「…佐々木さん?」
顔を覗き込む俺に、顔を見せないようにと深く俯いてしまった。
「…ごめんね!恥ずかしかったよね…メイド服なんか着てるやつと回るの…。」
「いや…!」
「しかも、私 似合わないし…。着たくないって断ったんだけど菜穂に無理矢理 着せられて…それで、あの。」
「佐々木さん!落ち着いて。違うから。」
俺の言葉を遮って次から次へと話し出す佐々木さんの肩を掴んで顔をあげさせると、今にも泣きそうな顔をしていた。
ったく、完全に勘違い。