ねぇ、松風くん。
洗い場についた私は言われた通り洗い物を始めた。
相変わらず、洗っても洗っても無くならない洗い物たちに自然と溜息が溢れる。
「あれ、佐々木さん?」
「…あ、源さん。お疲れ様です。」
振り向くとそこには不思議そうな顔をした源さんがいた。
「お疲れ!…佐々木さんさっきまで表にいなかったっけ?」
「あ〜、なんか松風くんが代わって欲しいって…。」
「葵くんが?わざわざ忙しい洗い場を佐々木さんに任せるとは思えないけど、どうしたんだろうね。」
そう言って少し考えた後、”洗い場は俺が変わるから佐々木さんレジお願い”と源さんは私の手からスポンジを奪った。