ねぇ、松風くん。
***
「どこが少〜しばかりよ。かな〜り重いんですけど。」
職員室から真っ直ぐ突き当たりを右に曲がれば、立ちはだかる壁。
” 階段 ”
登らなければ教室につかない事は、一目瞭然。しかし、クラス全員分のワークで足元は見えないし、何より重くてバランスに自信がない。
こんな事なら、変に遠慮しないで菜穂に手伝ってもらえば良かった。
仕方ないと諦めて一歩一歩ゆっくり階段を登れば、意外にも順調に中間地点までたどり着いた。
あと半分頑張って、踊り場で一旦 休憩しよう!と思ったその時、
踏み出した右足が身体を支えきれずに、足首をぐにゃりと曲げた。
そのまま、私は後ろへ傾く。