ねぇ、松風くん。
私の髪に自分の指を絡ませながら、尚も真っ直ぐ私を見つめる早川くん。
「俺、一目惚れなんだけど。」
ちょ、ま、ま、待った!
最近 多くない?こういう展開。
年下くんなんかに騙されないもん。
「からかわないで。」
私にしては珍しく、強気な口調で突き放すと、ニヤリと口角を上げて余裕そうな表情で呟いた。
「冗談で自分から女に言い寄るほど、女には困ってないけど?」
「…随分 自信家だな。」
そんな早川くんにボソッと呟く松風くん。
確かに早川くん、モテるだろうな。
少し長めの黒髪をワックスで遊ばせていて、身長は松風くんより少しだけ小さい。部活のせいか程よく焼けた肌はやんちゃさを感じさせる。