ねぇ、松風くん。
「……ガムテープ、取ってくる?」
そんな私の発言に、目を見開いた早川くんは”それ、本気?それともボケ?”と、眉間にシワを寄せた。
…全力のボケ!と言いたいところだけど、生憎 本気です。
「…俺が言ってるのは、こう言うこと。」
そう言って、そのまま私へと近づいてくる早川くんに一瞬で意味を理解した私。
壁と早川くんに挟まれ、右にはテーブル、左には壁につかれた早川くんの腕。
やばい、逃げが道ない。
そんなことを考えている今も早川くんは、どんどん近づいて来て
あー、もうダメだ。
私このまま早川くんと……
「………何してんの。」
なんて、変な覚悟を決めた私の耳に届いたのは、いつもより少しだけ低い松風くんの声で。
早川くんは、溜息をついて私から離れた。