ねぇ、松風くん。
*松風くんのお怒り⁇
***
「へぇ〜、松風くんがねぇ。」
「…うん。」
「…で?それからずっと口も聞いてくれないの?」
「…うん。」
”あんだけ優に避けられて落ち込んでたくせに!まさか…仕返しのつもり?”と、電話の向こうで怒声を響かせる菜穂。
そう、あれから3日。
なぜか松風くんは、私と口をきいてくれなくなった。
話しかけても基本 無視されて…仕事のことで話しかけた場合も淡々とした口調で目も合わせてくれない。
「はぁ…もう私メンタルヘルス。」
「全く、松風くんに恋してからどんだけ悩んだら気がすむんだか。」
「……恋する乙女に悩みは付き物なの。」
”なら、メンタルヘルスとか言ってないでどうにかしなさい。”なんてごもっともな返事をした菜穂は、”明日の朝早いからもう寝るね”と電話を切った。