ねぇ、松風くん。
あれから店に戻った私たちを見て、
「あら、おかえりなさ〜い♩」
と、ご機嫌な綾菜さんは”まずは温まりなさい”と、温かい飲み物を出してくれた。
松風くんの隣でそれを飲みながら、まずは仲直り…と言うか、口をきいてもらえるようになった事にホッとしつつ、
バカすぎて腹を立てられていると言う新事実の発覚にショックを隠しきれない私。
「……松風くん。」
私が名前を呼べば、
「ん?」
短いながらにちゃんと返事をくれる。あー、良かった。やっぱりシカトされるのは悲しいもんね。
でも、好きでもないくせに思わせぶりな態度ばっかりで松風くんだって十分
「腹立つ。」
「っ…はあ?」
「ふふっ、仕返し。」
私の言葉が予想外過ぎた様子の松風くんは飲んでいたコーヒーを吹き出しかけながら、私へと視線を移した。
やっぱり松風くんとは友達としてでもいいから、こうして傍で笑っていたい。
松風くんのお怒りは、もう勘弁。