ねぇ、松風くん。
Honey Love 4
感謝のクッキー
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よしっ!出来た。
自分の手の中にある、可愛くラッピングされたクッキーを見てニヤける。
今日の調理実習で、私たちのクラスはお菓子作りをしている。
班ごとにその班で決めたお菓子を作る事になっていて、私たちの班はクッキーと決めていた。
「わ、美味しそう!やっぱ優 料理とかお菓子作りとか上手だよね〜。」
ひょこっと私の肩から顔を覗かせて、手元のクッキーを見ながら感心したように声をあげた菜穂。
「菜穂たちの班はマフィンだっけ?交換しようねっ!」
菜穂とは班が違うため、お互い出来たものを1つずつ交換しようと提案すれば嬉しそうに笑って頷いた。
「じゃ、そろそろ焼き上がる頃だからまたね!」
そう言って、自分の班へと帰っていく菜穂を見送った私は再び自分の手元へ視線を移した。