ねぇ、松風くん。

”大事に食わなきゃ”と呟いたかと思えば、”あー、食うの勿体ない!”と、1人葛藤した潤くんは


「ありがとね、優ちゃん。」

嬉しそうに、だけどどこか切なげに笑って”俺 次 音楽だから”と、私たちとは反対へ歩いて行ってしまった。


きっと、潤くんは私の気持ちが松風くんから他に向くことはないと悟っている。


尚もこうして、私への態度を変えるでもなく、今まで通り接してくれる潤くんの優しさに、ギュッと胸が苦しくなる。


誰かを思い抜くと言うことは、他の誰かへの気持ちには応えられないと言う事にもなる。

松風くんを好きになって、潤くんに好きになってもらえて…そんな当たり前の事にもやっと気づけた。

ありがとね、潤くん。
私はこれから先もずっと潤くんの事、大事な”友達''だと思ってるよ。

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