ねぇ、松風くん。


「あのね!今日、調理実習があったの。」


そう続けながら、カバンの中をガサガサと何か探している佐々木さんは、


「あった。………これ!」


そう言ってラッピングされた袋を取り出し、俺に差し出す。


……どっかで見た事がある袋。
どこで見たんだっけ?


「…えっと、その。いつも助けてもらってばっかりだから…感謝の気持ちを込めて。」


あ、休憩室で早川のスクールバッグの上に乗ってたのと同じだ。


「……俺にくれんの?」


受け取りながら確認した俺に、コクンと頷く佐々木さんはどこか緊張しているようにも見える。

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