ねぇ、松風くん。
自分の気持ちに気付くのに、こんだけ時間かかった男が偉そうに。
「あんた分かってる?来週はもうクリスマスなのよ。ク・リ・ス・マ・ス!」
「………。」
「…あっ、そ!いつまでもウジウジしてればいいさ。言っとくけど、優ちゃんがいつまでもあんたを好きでいてくれる保証はゼロ!それに、優ちゃんはモテ期 真っ只中!」
”伝える勇気もないなんて、男気に欠けまくり!”
と、何かにつけて男気を主張する私にため息を溢した葵は、今までのどんな時よりも真剣に悩んでいるように見える。
ここでもう1つ、爆弾投下。
「…優ちゃん、あんたに告白した時、どれだけ勇気出したんだろうねぇ。…それを”…ごめん”の3文字で…。」
「…っ。」
あの日の事を後悔している、そんな顔で尚も黙り続ける葵。そんな顔してる暇あるなら、頑張りなさい、弟よ。
…優ちゃんは、きっとあんたの事だけ想って待ってくれてるよ。
ーーーーーー出来の悪い弟を持つと姉は苦労する。