ねぇ、松風くん。


「ありがとうございました〜」


綺麗にラッピングしてもらったマフラーを抱えて店を出る。


買ってしまってから、彼女でもないのにマフラーなんて重いかな…とか、実はマフラー嫌いだったらどうしよう…とか。


色々と乙女心は複雑だ。


でも、せっかく松風くんを想って、松風くんの為に買ったんだもん。

ちゃんと渡せるといいな。


「……ふふっ」


このマフラーをしている松風くんの姿を想像して1人ニヤける私は、道行くカップルたちにきっと変人だと思われていること間違いなし。


でも、不思議と心はポカポカしている。
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