ねぇ、松風くん。



***


クリスマスイブ。


ーーーーーーその頃 葵は


「ありがとうございました〜」


かれこれ20組程の会計を済ませた俺は、軽く背伸びをして体をほぐす。

1年で1番忙しい日、それがクリスマス。店内はごった返すカップルたちで賑わっている。

しかも、佐々木さんは休みだし。クリスマスにメンズだけ出勤させるオーナーってどうなんだよ。


「おい、何で優さん休みなんだよ。」

「……俺に言うなよ。」


レジの横をオーダー票 片手に駆けずり回る早川は、俺に悪態をつきながら佐々木さんが休みなのを不服そうにしている。


「…クリスマスなのに優さんに会えねぇとかバイト来た意味ねぇな。」


なんて、口ではそう言いつつも仕事はやっぱ一生懸命やってるし。

なんだかんだバイト好きなんだろうな。
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