ねぇ、松風くん。
これは夢なんじゃないかって、この短時間に何度思っただろう。
クリスマスイブに松風くんが会いに来てくれた事も。
松風くんに抱きしめられていることも。
松風くんが私を好きだってことも。
全部全部、私の都合の良い夢なんじゃないかって。
ずっと願ってたのに、いざ望んだ展開がやって来た時、人は上手く感情を表に出せないんだなって、経験して初めてしった。
「……松風くん。夢じゃない?」
「……夢かもな。」
「えー!!」
私を解放した松風くんを見上げながら呟いた私に、意地悪く笑う松風くんが写る。